トップページ失敗しない矯正治療歯科矯正治療 私たちの考え(第1回)

歯科矯正治療 私たちの考え

はじめに

情報社会とも言われるように、最近はインターネットやテレビ、雑誌などの媒体を通して、矯正治療に関する情報がいたるところに氾濫しています。
矯正治療を始めようとお考えの方が簡単に情報を集めることができるようになったのは喜ばしいことではありますが、逆に情報が多すぎて、本当に正しい情報を選択するのが困難になって来たことを危惧しています。
「本に書いてあった」「インターネットで見た」「口コミサイトで絶賛されていた」などの理由で、ご自身の症例には適さない治療法を受け、結局再治療を余儀なくされてしまったケースも少なくはありません。

こういった現状から、私たちは患者さん向けのガイドラインづくりが必要だと考えるようになりました。
ガイドラインは医療現場での診断や治療の補助となるべきものであり、エビデンス(科学的根拠)がある客観的で公正なものでなければなりません。2005年より準備を開始し、紆余曲折ありましたが、2016年GRADE system にもとづいたはじめての歯科矯正分野のガイドラインを作成しました。
このガイドラインは2016年4月現在、歯科矯正分野においてGRADE systemに基づいて作成できる唯一のガイドラインです。
歯科矯正の臨床においては抜歯、非抜歯の考え方や、下突咬合(いわゆる下顎前突)や叢生の矯正治療の開始時期など様々なガイドラインを必要とする問題が存在しますが、そのような問題に対するガイドラインを作成するには、その前段階である、システマティックレビューを作成する事から開始する必要があり、多くの資金と労力と時間が必要になります。

ガイドラインの作成中にも矯正治療は行われていきます。そこで、様々な問題に対する一人一人の専門医の考え方を患者さんに伝えることは患者さんが矯正治療に関わる問題点を理解する一助となるのではないかと考えました。

第1回「抜歯・非抜歯」を始めとし、今後もさまざまなテーマについてアンケートを実施し、サイト上で結果を公表して参ります。矯正治療の実際を知ることで、患者さんの不安や疑問が解消できればと思います。

アンケート結果一覧

第1回アンケート結果 「抜歯・非抜歯」

第1回目のテーマには、患者さんから質問を受けることが多い「抜歯・非抜歯」を取り上げました。矯正治療に抜歯は必要なのかどうかを、JSO会員自身の臨床経験をもとに回答してもらいました。 アンケートは2011年3月に第1回を実施し、以降2012年5月までの新規入会者を含めた全56名中55名の回答を集計しています。(未回答者1名)

なお文章中の「抜歯」は基本的に小臼歯抜歯を意味します。(先天欠如歯が存在するため前歯を抜歯した場合や、片顎の小臼歯抜歯も含みます。)

また「非抜歯」は小臼歯非抜歯を意味します。第二、あるいは第三大臼歯のみを抜歯した場合は非抜歯としています。

回答

1.すべての患者さんに非抜歯で治療が可能ですか?

2.1でいいえとお答えになった先生にお聞きします。
将来矯正学が現在より進歩、発展したとしたら、すべての患者さんに非抜歯治療が可能になる可能性はありますか。

3.永久歯列期の患者さんに対する矯正治療開始にあたり、抜歯が必要と診断した患者さんの割合(2010年)はどのくらいですか?

回答コメント

1.全ての患者さんに非抜歯で矯正治療が可能ですか?

「はい」と答えた先生のコメント…該当なし

「いいえ」と答えた先生のコメント

秋山真人(茨城県牛久市 ひたちの矯正歯科医院)
不可能だと思います。
デコボコを改善するだけならば可能でしょうが、歯列と軟組織の調和や口元、歯軸、最後方臼歯の状態、動的治療後の歯列の安定性を考慮すると小臼歯抜歯ケースが必然的に多くなると思います。

朝倉照雄(神奈川県茅ヶ崎市 朝倉歯科矯正)
いいえ。
小さい顎を大きくさせることや、大きい歯を小さくさせることは出来たとしても、極く僅かです。

天野憲人(東京都西東京市 天野矯正歯科)
(私の場合は、抜歯症例になるケースが多いのですが)
過去に非抜歯治療で開始して、すぐに方向(方針)を抜歯に変更した例や、患者さん(友人の知り合いの医療従事者)側からのたっての頼みで非抜歯で開始してから変更したような例を経験しております。
全ての患者さんに非抜歯治療は大変困難。ほぼ不可能ではないかと思っています。

有松稔晃(福岡県北九州市 ありまつ矯正歯科医院)
不可能です。
非抜歯治療において、抜歯治療と同等の結果(くちもとの状態、噛み合わせ、前歯の角度)が得られるならば、良心的な歯科医師は、すべての症例を非抜歯治療で行うはずですが、そのように出来ないことから、抜歯を選択しているのです。 ただし、すべての患者さんに抜歯による矯正治療が可能かというと、それも不可能ですが。

稲見佳大(栃木県真岡市 いなみ矯正歯科医院)
患者さん(あなた)にとって、どちらの方法に、よりメリットとデメリット(利益と損失)があるのかを比較する事が大切です。
矯正治療は、健康と美しさのために行うものです。歯がキレイに並ぶことも重要ですが、良い咬み合わせ、健康な歯肉、調和のとれたお顔など、全体的なバランスを考えることも不可欠です。
例えば、歯を抜かないで治療する事に固執するあまり、歯は並んでも、歯ぐきが下がってしまったとか、出っ歯になってしまった、では意味がありません。逆に、歯がでこぼこに並んでいたり、かみ合わせが逆(受け口)な患者さんでも、歯を抜かないで治療した方がメリットが多い場合もあります。
抜歯が必要か否かは、技術の問題ではなく、それぞれの患者さん(あなた)の体のバランスで決まるものです。日本人の場合、矯正治療に伴い抜歯が必要な方が多くなるのは人種の特徴上、必然です。全ての患者さんに非抜歯で対応するとなれば、バランスを崩した結果になる事は避けられず、医療行為ではなくなってしまいます。

大野秀徳(長野県上田市 おおの矯正歯科)
歯の大きさや顎の大きさ、形は、患者さんひとりひとりまったく異なるため、すべての患者さんに同じ治療方針で(すべて非抜歯で)治療をすることは不可能です。
矯正治療は「悪いものを治す」という治療ではなく、まったく新しい状態を創るという治療です。よって治療開始前には治療目標を明確に定め、治療目標に到達するために抜歯が必要か不要かを判断します。すべて非抜歯で治療が可能という先生の治療は、歯を抜かないで歯を整列させることが治療目標になっています。歯を並べるだけなら歯を抜かないでも治療可能かもしれません。しかし治療後に上顎と下顎の歯がきちんと咬み合わさらなかったり、顔貌と調和した安定した状態を達成できないならば、その治療は矯正治療とは言えません。

鬼久保平(埼玉県上尾市 おにくぼ矯正歯科)
顎の大きさと歯牙の大きさのバランスを無視して治療することはできない。一時的に並べたとしても安定性に問題が出ることがあるため、長期の歯列の安定において、抜歯が必要になることがあると思います。また、何人かの患者様は咬合よりも口元のバランスを気にすることがあります。患者様の主訴を無視することはできません。いままで非抜歯で治療をして口元の突出感等でクレームを言われることはありますが、抜歯をして抜歯しなければよかったと言われたことはありません。

片上勝秋(滋賀県栗東市 ウイング栗東矯正歯科クリニック)
いいえ。

金井鐘秀(愛知県岡崎市 かない矯正歯科医院)
矯正治療の対象である不正咬合は、その成因の多くを上下顎の大きさや位置関係といった骨格を由来とするものがほとんどであり、現在の矯正医療技術では、各個人の持つ骨格形態や大きさを自在にコントロールすることが難しい以上、個人が持つそれぞれ特徴的な骨格状態に理論的に健全と考えられる歯列、咬合状態を当てはめていく方法をとらざるを得ない。従って、場合によっては、抜歯が必要となる場合も考えられる。

兼元廣明(千葉県船橋市 かねもと矯正歯科)
不可能!

北園俊司(鹿児島県鹿児島市 きたぞの歯科矯正)
可能な限り、鼻呼吸が出来、また舌房を狭くしない口腔内が大切であると考えていますが全ての症例において非抜歯治療は不可能と思っております。

小島敏嗣(広島県広島市 こじま矯正歯科)
歯牙幅径と上下顎の大きさとの関係は永遠のテーマであり、特に成長の停止した成人の矯正歯科治療には審美的観点からしても難易度の高い症例には抜歯は不可欠であると推察いたします。

桜田明宏(北海道札幌市 さっぽろ矯正歯科クリニック)
歯並びを矯正する時は、「咬める」という生命の維持・安全性と「美しさ」という他人から尊重される精神の安定性の両面を考えなければならないので、硬組織(歯・顎骨)と軟組織(口唇・顔面の筋肉)のバランスを取るためには抜歯をしなければ解決できないことがあると考えます。すなわちすべての患者さんに非抜歯で矯正治療は不可能です。

清水美輝雄(奈良県奈良市 しみず矯正歯科クリニック)
小児矯正において、顎の発育時期に成長を利用して治療を行うことにより、歯を抜かずにすむ確率はかなり高くはなりますが、それでもすべての患者様に可能というわけにはいきません。セルフライゲーションブラケットなどの開発により非抜歯の確率は少しは高くなったように思いますが、永久歯列期になってからの矯正では、日本人におきましては過半数が抜歯を必要とするのが現状かと思います。
極力、非抜歯治療を目指してはいますが、口元の突出感や歯軸の傾斜などを考えると抜歯した方がメリットが多い場合は抜歯を選択していただいております。

妹尾葉子(福岡県北九州市 ありまつ矯正歯科医院)
不可能と考えます。
多くの患者さんの場合、全ての歯を、限られた容積の顎の骨にきれいに並べようとすると、歯列を側方あるいは前方に広げる事が必要となります。その結果、かえって咬み合わせが不安定になったり、前歯の前突に伴って、口元も突出し、顔立ちのバランスが悪くなってしまう事もあります。
非抜歯治療では、何よりも、歯を抜かないことを最優先に考えられています。そのため、無理に歯を並べることによって、改善出来ない点があったり、かえって悪くなってしまう点が出てきたりする可能性があります。一方、抜歯治療は、非抜歯治療を行った場合と比較して、永久歯を数本失っても、改善される点が多く、治療結果が好ましいと診断されたという事です。したがって<非抜歯治療>と<抜歯治療>という2つの言葉を、並べて論じる事は出来ません。
その事を念頭にどのような治療を受けるか、考えて頂くとよいと思います。

鳥巣秀男(神奈川県藤沢市 とりす歯科矯正)
ディスクレパンシーに問題がある中で益々非抜歯症例は少なくなる傾向にあると考えます。

中川靖郎(神奈川県小田原市 中川矯正歯科)
不可能です

中村良司(岐阜県土岐市 中村矯正歯科研究所)
抜歯・非抜歯の診断についてはtooth sizeの要因が大きいものと考えております。
このような設問は、どのような根拠において設定されましたか?

のき田邦裕(福岡県久留米市 のきた矯正歯科医院)
いいえ、無理です!!

浜崎広二朗(福岡県飯塚市 はまさき矯正歯科医院)
歯槽基底の後方限界、側方への拡大の限界(歯列咬合の治療後安定性も含む)、口元の安寧な状態等を考えると条件の整った患者にしか抜歯をせずに容認出来る治療結果を得ることはできないと思います。

原省司(新潟県上越市 原矯正歯科)
日本人(モンゴロイド)の人種的特徴(奥行きのない短頭形、大きくて厚い歯)による
顎態と歯や歯列とのアンバランスに起因することが多いので、このアンバランスを解消するにはどうしても抜歯を避けられないことが多く、すべて非抜歯による治療はあり得ない。

樋口育伸(福島県福島市 ひぐち矯正歯科)
日本人は歯冠幅径が大きい歯を持つ人が多く、矯正治療の対象となる患者さんの場合も同様である。受け皿としての歯槽基底の大きさを増すには限界があり、抜歯を行わないで歯列を拡げて配列をした場合、歯槽基底より大きく外れることになる。
したがって非抜歯で治療可能な症例は少なく、ましてや全ての患者さんに非抜歯で治療するなど不可能である。

廣島邦泰(三重県伊賀市 アイウエオ矯正歯科医院)
私の矯正治療のゴールからすると、「不可能」です。しかし、世の中には「可能」と言う先生もおられるでしょう。それは、私と求める基準が違うところになるからで、単に非抜歯矯正が「可能」か「不可能」かの話ではありません。
ただ歯を並べるだけなら、非抜歯矯正はほとんどの場合「可能」でしょう。しかし、そこに口元のバランスやかみ合わせをきちんと整えようと考えた場合,抜歯の必要性が出てくるということです。

廣末善久(高知県高知市 広末歯科矯正)
一般的に、機能的、審美的、さらには予後などを考慮した場合、日本人の場合は非抜歯で治療を行うのは一部の症例に限られると考えている

深町博臣(新潟県新潟市 ふかまち歯科矯正)
生体には、生体として存在し続けるためのシステムがある。
そのシステムは人知の及ばない領域にあり、感性に委ねられる。
どこまでを矯正治療というかによって回答は異なるが、生体のシステムに適った治療を行なおうとすれば、日本人の症例では、抜歯を選択せざるを得ない症例は多い。

藤田邦彦(福岡県北九州市 ふじた矯正歯科医院)
非抜歯治療のために、前後的または側方へ歯列弓を拡大すると治療後の後戻りが強く懸念される事と、側貌の悪化を起こす恐れがあるためです。

藤田俊哉(秋田県秋田市 ふじた矯正歯科)
日本人の骨格からディスクレパンシーの解決を非抜歯のみで行うことは無理だと思います。

星隆夫(神奈川県相模原市 星歯科矯正)
矯正治療に関わる抜歯は歯と顎の大きさのアンバランスを解消するために行われるものと、上下の顎のズレを代償するために行われるものに大別される。
歯や歯周組織の健康や口唇とのバランスを無視して拡大すること、顎の位置の補正は手術をすることで行えばすべての患者さんを非抜歯で治療することは可能です。
しかしながら、創り上げられた咬合と顔貌は決して美しく調和のとれたものではあり得ないと思います。歯科矯正治療を望む人の多くは歯列の見た目を気にして治療を開始します。その結果得られる顔貌が美しいものではないのは本末転倒である。と私は思います。

本間研(北海道札幌市 ホンマ矯正歯科)
そう思いません。

宮下勝志(山梨県富士吉田市 宮下矯正歯科)
不可能です。

宮本敬次郎(奈良県北葛城郡 みやもと矯正歯科医院)
今の技術では無理です。大臼歯の遠心移動が、もっと確実に、正確にできれば、重度の叢生や、重度の前突に対して、大臼歯の抜歯を併用して可能だと思います。

百瀬保(東京都北区 王子神谷矯正歯科クリニック)
成人でディスクレパンシーの大きなものは不可能な場合もあります。

山口賢(埼玉県志木市 さとし矯正歯科クリニック)
顎の大きさと歯の大きさのバランスに不調和がある場合には、顎の大きさに見合った歯の数に減らす必要性があります。仮に歯の数を減らさずとも、そのバランスを無視した上で、でこぼこの歯を単に並べることは可能ではありますが、その際には前歯の突出や奥歯が側方に著しく傾斜した歯列となり、結果的に(1)歯の負担が強くなるなどのために逆に歯の寿命が短くなる。(2)きちんと咬めなくなる。(3)前歯が突出し、口が閉じにくい、あるいは口元の突出が治療以前よりももっと強くなる。などの弊害が生じることがあります。
ただ単にでこぼこを並べるということでなく、前述の問題を起こさせずに「適切な矯正治療」を行うには、抜歯を必要とすることがあります。

山下博史(神奈川県藤沢市 ドルフィン矯正・小児歯科)
歯科医師として非抜歯にて治療が行えればと考えますが、無理です。

山本一宏(神奈川県鎌倉市 カマクラデントフェイシャルオーソピディクス山本歯科・矯正)
非抜歯治療イコール歯列の拡大を意味します。大きな口や顔は褒め言葉でありません。非抜歯治療の本をだし、全国の小学校に配布してしまった先生の患者をセカンドオピニオンで拝見したことがありましたが、バケツのように大きな口、猿やカッパを思わせる口元、リテーナーも生涯使用を命じられたとききました。これらは、歯科矯正学の目標である、機能・安定性・審美性のどのひとつが欠けても成功したとはいえないという命題に悖ります。

夕田勉(福岡県福岡市 ゆうだ矯正歯科医院)
すべての患者さんを非抜歯で矯正治療を行うことは不可能です。混合歯列期においては、反対交合・軽度の上突咬合・軽度の叢生などの症例で2割ぐらいは非抜歯で矯正治療を行うことは可能です。また、機能的に不正咬合になっている場合も可能です。

和栗秀直(千葉県船橋市 芝山台歯科診療所)
#1:上顎骨複合体の顎態発育誘導が小児期から出来る形式であれば可能性大。
#2:成長発育要素を加えず、Low Teen以上であれば、抜歯率は当然高くなると慮考する。

和島武毅(愛媛県新居浜市 歯ならび矯正歯科医院)
一般的に、機能的、審美的、さらには予後などを考慮した場合、日本人の場合は非抜歯で治療を行うのは一部の症例に限られると考えている

回答コメント

2.1.で「いいえ」とお答えになった先生にお聞きします。
将来矯正学が発展、進歩したとしたら、すべての患者さんに非抜歯治療が可能になると可能性はありますか?

「はい」と答えた先生のコメント…該当なし

「いいえ」と答えた先生のコメント

秋山真人(茨城県牛久市 ひたちの矯正歯科医院)
顎骨や歯の大きさ、歯の本数が変わらない限りそれは不可能だと思います。
矯正材料の質が向上しようとそれが可能になるとは思いません。

天野憲人(東京都西東京市 天野矯正歯科)
・ヒトは子供から大人へ成長すること。
・色々な機能に影響されて育つこと、変化すること。
等から、 予想が色々出来て、先手を打つことが出来れば非抜歯治療が可能と考えるのは、想像力が不足していると思います。

有松稔晃(福岡県北九州市 ありまつ矯正歯科医院)
器材の発達より、生体へのアプローチの問題だと思います。
例えば顔面形態を発生まで遡ってコントロールすることができるようになるならば、可能性はあるでしょう。ただ遺伝的な操作や胎内環境への干渉は、非常に困難だと思います。可能性としては考えられるというだけで、ほぼ不可能ではないでしょうか。
仮に実現したとしても、倫理の問題に阻まれるか、他の重篤な先天疾患の治療にそのような介入は限られるのではないでしょうか。

石井一裕(石川県小松市 矯正歯科石井クリニック)
診断の際、基本的な美に加え、個人的な美や変遷する美等も考慮しなくてはならないので、抜歯による治療がなくなることはないと思う。

稲見佳大(栃木県真岡市 いなみ矯正歯科医院)
現状では全ての患者さんに非抜歯での治療が可能になる事はありえません。抜歯が必要か否かは矯正学の問題ではなく、生体そのもののバランスによるものだからです(前の質問の答えもご参照下さい)。

大野秀徳(長野県上田市 おおの矯正歯科)
矯正治療がどんなに進歩しても、歯の大きさや歯槽骨、骨格、生体の反応を変えることができない以上、すべての患者さんに非抜歯で矯正治療が可能になるとは考えられません。矯正治療に使う装置は、あくまでも歯科医師の技量を歯に伝えるための装置であり、矯正装置が勝手に直してくれるわけではありません。よって矯正学が進歩しても、どんな装置が開発されても、矯正治療の本質は不変ですので、将来すべての患者さんに非抜歯治療が可能になる可能性はゼロと考えます。

片上勝秋(滋賀県栗東市 ウイング栗東矯正歯科クリニック)
難しい質問ですが、先ず不可能でしょう。

金井鐘秀(愛知県岡崎市 かない矯正歯科医院)
非抜歯による治療が可能となるためには、上下顎の骨格の状態をそれを許容する状態に変化させる必要がある。現在の方法である、機械的外力をもって骨格への影響を及ぼすことの効果はかなり限局的ですべての状態を非抜歯に導くことは困難と考えられる。遺伝子的なアプローチなどが考えられる方法となり得るが、矯正治療の医療として、倫理的に成立するのか疑問を禁じ得ない。治療後は皆同じような顔になってもよいのだろうか?

兼元廣明(千葉県船橋市 かねもと矯正歯科)
確かに、5年後・10年後には、現在では想像しえない事が矯正治療にも起きる事は間違いありませんので、技術的には可能性は十二分にあると思います・・・・・・。
ただ、それでも人類学上の問題は解決出来ないと思います。
我々日本人が属するモンゴリアンの持つ顎顔面の形態は、欧米人の属するコーカシンのそれと比べてはるかに難しい形態を有しており、その部分が解決出来るとは到底考えられませんので、抜歯ケースでの治療は増える事はあっても減ることはないと思います。

川端喜美子(埼玉県川越市 三井病院歯科矯正科)
色々な部位の先欠の可能性があるため、移植にて咬合を整える場合は小臼歯を使う確率は高くなると思います。
顎骨にあった歯列形態にするためには抜歯が必要になることもあると考えます。
軟組織の不調和がある場合も抜歯が必要になると思います。

今政宏(神奈川県川崎市 溝口矯正歯科)
小児の矯正治療で歯列弓(上下顎)の拡大を行なっても、歯のサイズの問題、大臼歯部のディスクレパンシーの問題、骨格性のⅡ級・Ⅲ級の程度などが大きい場合不可能です。

桜田明宏(北海道札幌市 さっぽろ矯正歯科クリニック)
頭や腕など骨格のパーツはその人に合った形や大きさでバランスを取っていると思います。歯を支える骨も同じことで、無理やり歯を並べようとすることは、歯を支える骨を異常に広げることとなり、体全体のバランスを崩す結果となるでしょう。 人間の体が進化して顔や体の骨格が変化したり、胎児のときに遺伝し操作をしたりしない限りすべての患者さんに非抜歯で治療が可能になるとは考え難いです。

清水美輝雄(奈良県奈良市 しみず矯正歯科クリニック)
可能性はないと言い切ってしまうのは、間違っているかも知れませんが、現状では無理なような気がします。もし可能であったとしても、コストと期間が長くかかると思われるので、全ての患者様が望まれるとも思いませんので。

妹尾葉子(福岡県北九州市 ありまつ矯正歯科医院)
ないと思います。
あるとすれば、歯のサイズが全体的に小さくなる、あるいは顎の骨が大きくなるなど生体自体が変化が起こることが前提です。しかしこれらの事柄は、意図的にコントロールすることが出来ません。したがって、いかに矯正の材料が改善されても、多くのテクニックが出現しても、非抜歯治療だけで矯正治療が可能になることはないと思います。 また、日本人と欧米人は骨格的な特徴が異なるので、あちらでの治療成績をそのまま日本人に当てはめることも適当ではありません。

鳥巣秀男(神奈川県藤沢市 とりす歯科矯正)
あり得ないと考えます。

中川靖郎(神奈川県小田原市 中川矯正歯科)
可能性はありません

中村良司(岐阜県土岐市 中村矯正歯科研究所)
なぜこのように非抜歯にこだわるのですか?
tooth size をコントロールすることができるのですか?

のき田邦裕(福岡県久留米市 のきた矯正歯科医院)
いいえ、可能性はないと思います。
生命体としてのヒトが変化するのには、相当長い時間がかかると思います。

浜崎広二朗(福岡県飯塚市 はまさき矯正歯科医院)
歯列を遠心移動する機械的技術が発達しても患者の素質を変えるまではできない。後方限界が存在し、また、治療結果も長期に安定するかは疑問が残る。

林弘明(東京都東大和市 はやし矯正歯科クリニック)
歯を並べることだけが目的であればすべての患者さんに非抜歯で矯正治療が可能と思われますが、機能的問題、審美的問題を改善し歯を長持ちさせることを目的とした矯正治療を行う場合には手段として抜歯が必要になることがある。

原省司(新潟県上越市 原矯正歯科)
上記コメントとも関係しますが、人種的特徴を変えることは不可能。 また、顎骨は顎顔面頭蓋、全身のなかのバランスのなかで存在しているため、顎骨だけ大きくしたり広げたりすることは無理がある。
そのため、歯科矯正学がいくら進歩したとしても不可能と考える。

樋口育伸(福島県福島市 ひぐち矯正歯科)
前述した理由(負のディスクレパンシーが大きいケースが多いということ)については、生物学的背景によるものであるから矯正学がたとえ進歩したとしても変わるものでない。

廣島邦泰(三重県伊賀市 アイウエオ矯正歯科医院)
いくら矯正学が発展、進歩しても、人間の構造が変わらない限り、(1)のコメントは変わらないと思います。つまり、歯の数が少なくなるとか、すべての歯の形が小さくなるとか、あごが極端に大きくなるとか、求める美意識が根本的に変わるとか、そういったことが起こらない限り「不可能」と思います。

廣末善久(高知県高知市 広末歯科矯正)
患者さんの骨格を自由自在にコントロールできるような矯正学の極めて非現実的な発展進歩がなければ、すべての患者さんに非抜歯治療が可能になるとは考えていない。

深町博臣(新潟県新潟市 ふかまち歯科矯正)
現在の物理的な外力を利用した治療法の中では不可能と思う。

藤田邦彦(福岡県北九州市 ふじた矯正歯科医院)
可能になるとは考えられません。
顎の大きさ、歯の大きさが将来変化しない限り、矯正治療が発展、進歩しても基本的な解決は出来ないと思います。

藤田俊哉(秋田県秋田市 ふじた矯正歯科)
日本人の顔面形態が欧米人並みにならない限り無理かと。

星隆夫(神奈川県相模原市 星歯科矯正)
ひとつ前の質問で、抜歯する理由を二つあげました。
一つは、歯の大きさと顎の大きさのアンバランスに起因するものです。顎にくらべ歯が大きい。これは、日本人と呼ばれる人たちの遺伝子の多様性に起因します。人類の起源はアフリカ大陸です。アフリカ大陸で生まれた人類はアフリカ大陸から世界中の土地へ拡散していきます。この拡散は異なる年代に3回にわたり行われたと言われています。これらの人類は年代毎に異なる遺伝子の特徴を持っています。日本はそれらの遺伝子のすべてがあるという世界でもまれな国です。多くの国では征服者は被征服者を竣滅する事が多かったようですが、日本では共生という手法がとられたようです。そのため、多様な遺伝子が共存している環境になりました。ですから、顎と歯の大きさのバランスで歯がでこぼこに並ぶと言う状況が起きやすくなっています。遺伝的に決まっているバランスの悪さを歯をでこぼこに並べると言うことで解決しているのです。歯のでこぼこは生体にとって問題ではなく遺伝子レベルでの問題の解決策です。ですから、でこぼこを治療する際には抜歯が必要となることが多いわけです。
さて質問に対する答えですが、受精時もしくは受精以前に遺伝子を操作する事で歯と顎のバランスの悪さを解消できるかも知れません。科学が進歩すれば可能になる技術かもしれません。しかし、これは神の領域だと思います。人間が手を出すべき領域ではないと思います。
上下の顎のズレに対しても遺伝子レベルで働きかければ問題を解消できるでしょう。くり返しますがそれは神の領域です。私たちがコントロールして良いモノではないと思います。

本間研(北海道札幌市 ホンマ矯正歯科)
そう思いません。

三瀬駿二(愛媛県松山市 みせ矯正歯科)
骨格系、歯牙系に大きな変化が起るとは思えませんので、その可能性はないでしよう。

宮下勝志(山梨県富士吉田市 宮下矯正歯科)
可能性はあるかもしれません。
不正咬合の原因解明が可能になり、遺伝子操作などで成長、発育が制御出来た時とか、外科矯正やインプラント矯正の可能性が無限大に治療の拡大広めた時ですが、不可能でしょう。

宮本敬次郎(奈良県北葛城郡 みやもと矯正歯科医院)
小臼歯抜歯でなく、大臼歯の抜歯が許されるのだったら、可能だと思います。

百瀬保(東京都北区 王子神谷矯正歯科クリニック)
どのような発展・進歩であるか想像できない。

山口賢(埼玉県志木市 さとし矯正歯科クリニック)
特に日本人は欧米人に比べ顎の奥行きがなく、前歯の突出が強いケースが多く、また顎の大きさと歯の大きさのバランスに不調和があるケースが多く見受けられます。この状態は矯正装置の種類やテクニックの違いにより変わるものではありません。
また人類学的な観点からも、現代人は以前よりも歯のサイズが増加傾向にあるのにもかかわらず顎の奥行きが少なくなる傾向があり、今後ますます顎の大きさと歯の大きさの不調和が著しくなることも推測され、むしろ非抜歯治療が困難となるケースが増加する可能性のほうがあると考えます。

山下博史(神奈川県藤沢市 ドルフィン矯正・小児歯科)
現在の矯正治療は対症療法の域を出ない。
よって、抜歯を行う必要がある。
将来、遺伝子操作により歯数および歯牙サイズをコントロールする事が可能になれば、非抜歯による矯正治療を行えるかもしれない。
逆に、それが出来なければ不可能とも言える。

山本一宏(神奈川県鎌倉市 カマクラデントフェイシャルオーソピディクス山本歯科・矯正)
遺伝子の調節がかかり、第一小臼歯の先天性欠如が成就しない限り、不可能であると思われます。

夕田勉(福岡県福岡市 ゆうだ矯正歯科医院)
日本人は、将来的にもすべての患者さんに非抜歯で矯正治療を行うことは不可能だと思います。

若松進治(茨城県水戸市 水戸歯科クリニック矯正歯科センター)
顔面、上下顎骨のバランス、歯牙と顎骨のバランスを遺伝子レベルで人為的に改造できたとしたら可能かも知れない。しかしそれを可能に出来るとは現時点では想像できない。

和栗秀直(千葉県船橋市 芝山台歯科診療所)
#1、#2に同じ。
開始期の考え方がどう啓発されているか。
"抜歯して2年で終ります"が"良い"と考える様に啓発? 宣伝?しているのであれば、回答しても仕方がない。

和島武毅(愛媛県新居浜市 歯ならび矯正歯科医院)
患者さんの骨格を自由自在にコントロールできるような矯正学の極めて非現実的な発展進歩がなければ、すべての患者さんに非抜歯治療が可能になるとは考えていない。

回答コメント

3.永久歯列期の患者さんに対する矯正治療開始にあたり、抜歯が必要と診断した患者さんの割合(2010年)はどのくらいですか?

「0~30%未満」と答えた先生のコメント

宮本敬次郎(奈良県北葛城郡 みやもと矯正歯科医院)
21%(小臼歯抜歯)

「30%以上~60%未満」と答えた先生のコメント

鬼久保平(埼玉県上尾市 おにくぼ矯正歯科)
約50%でした。

川端喜美子(埼玉県川越市 三井病院歯科矯正科)
1st治療にて成長発育を促したケースについてはnon extの確率は高く、3級ケースに関しては大臼歯抜歯を行ないnon extケースとなる場合が多かったです。 顎骨にあった歯列獲得、上下顎の先欠がある場合の移植ケース、軟組織のアンバランスの修正、facialパターンの悪い患者には、抜歯はどうしても必要になると思います。

清水美輝雄(奈良県奈良市 しみず矯正歯科クリニック)
永久歯列期の患者様では56%で抜歯と診断致しました。

中村良司(岐阜県土岐市 中村矯正歯科研究所)
これは疫学的な答えを期待しているのですか?それとも単に非抜歯のほうが患者に好まれるからでしょうか?

百瀬保(東京都北区 王子神谷矯正歯科クリニック)
顎の成長のコントロールができないため、混合歯列より抜歯が増加する。

和栗秀直(千葉県船橋市 芝山台歯科診療所)
#1 診断上 70%~75%
#2 診断されても患者が難色を示した場合も含める 50%-60%

「60%以上~90%未満」と答えた先生のコメント

天野憲人(東京都西東京市 天野矯正歯科)
90%ほぼに近いです。(部分的治療を除いております。)
永久歯列で装置を撤去した方としては、混合歯列後期で整える治療(MTM的な)で永久歯列期となって撤去しているので、その率で行くと72%でした。

片上勝秋(滋賀県栗東市 ウイング栗東矯正歯科クリニック)
特に成人患者さんの多くの方は、抜歯治療になる可能性は高くなるでしょう。
空隙歯列以外の成人患者さんの多くは、歯列にがたつき(叢生)が存在します。
口元の突出感を出さずに治療を行うのなら抜歯が必要です。
無理に非抜歯で治療を行うと、口元の突出感だけでなく、歯肉退縮や矯正治療後の後戻り量も大きくなる傾向がありますのでお勧めできません。

金井鐘秀(愛知県岡崎市 かない矯正歯科医院)
80%位。

兼元廣明(千葉県船橋市 かねもと矯正歯科)
90%

桜田明宏(北海道札幌市 さっぽろ矯正歯科クリニック)
学会の症例報告や症例展示を見ても症例の70〜80%は抜歯症例なので、抜歯の診断は妥当と思われます。

笹川美也子(新潟県新潟市 笹川矯正歯科)
83%でした。

澤端喜明(富山県富山市 さわはた矯正歯科医院)
85%でした。

関康弘(富山県魚津市 せき矯正歯科医院)
75パーセントでした。

中川靖郎(神奈川県小田原市 中川矯正歯科)
90%位です

のき田邦裕(福岡県久留米市 のきた矯正歯科医院)
約64%

浜崎広二朗(福岡県飯塚市 はまさき矯正歯科医院)
口元の安寧および歯列・咬合の治療後の安定性まで考えると、8割程度で抜歯が必要だった。

林弘明(東京都東大和市 はやし矯正歯科クリニック)
抜歯は患者さんそして術者にとっても嬉しいことではありません。しかし機能的問題、審美的問題を改善し歯を長持ちさせることを目的とした矯正治療を行う場合には手段として抜歯が必要になることがある。その結果として60%以上90%未満の患者さんに抜歯が必要になった。

原省司(新潟県上越市 原矯正歯科)
限りなく90%に近い抜歯率になります。

廣島邦泰(三重県伊賀市 アイウエオ矯正歯科医院)
85%
しかし、抜歯か非抜歯のボーダーケースを含めると、90%になります。

廣末善久(高知県高知市 広末歯科矯正)
矯正治療の最終仕上げはほとんどの患者さんで永久歯期となるが、永久歯列期約80%の患者さんが、混合歯列期からの管理の有無にかかわらず抜歯が必要と判断し治療を行っている。

深町博臣(新潟県新潟市 ふかまち歯科矯正)
永久歯列期症例の約7割が抜歯。
非抜歯症例のうち7割くらいが2nd phaseの治療、残りは下突咬合の治療。

星隆夫(神奈川県相模原市 星歯科矯正)
当院での治療目標はでこぼこのない綺麗な歯列で、顎関節が安寧な位置で上下の歯が適切に咬頭勘合しなおかつ、前歯の位置が口唇・オトガイ部軟組織と調和のとれた位置にあることを目標としています。
簡単に言うときちんとした歯ならびかみ合わせで口元も美しい状態を創り上げると言うことです。
でこぼこがある方、口唇が閉じにくい方は抜歯を勧める場合が多くなると思います。
高い鼻と発達したオトガイをお持ちの外国人の患者さんにはでこぼこがあっても非抜歯をお勧めすることが多いです。

本間研(北海道札幌市 ホンマ矯正歯科)
60%以上~90%未満です。

三瀬駿二(愛媛県松山市 みせ矯正歯科)
約84パーセント

宮下勝志(山梨県富士吉田市 宮下矯正歯科)
65%位です。

山口賢(埼玉県志木市 さとし矯正歯科クリニック)
全体のおおよそ80%で抜歯が必要と診断しました。

山田秀樹(富山県富山市 歯科矯正ちどり歯科医院)
80%でした。

山本一宏(神奈川県鎌倉市 カマクラデントフェイシャルオーソピディクス山本歯科・矯正)
雑種民族で構成される我が国やアメリカ合衆国では、ディスクレパンシーも強く、また、昨今の咬まない風潮も手伝っているため、抜歯の確率は、当然高くなると思います。

和島武毅(愛媛県新居浜市 歯ならび矯正歯科医院)
矯正治療の最終仕上げはほとんどの患者さんで永久歯期となるが、永久歯列期約80%の患者さんが、混合歯列期からの管理の有無にかかわらず抜歯が必要と判断し治療を行っている。

「90%以上」と答えた先生のコメント

秋山真人(茨城県牛久市 ひたちの矯正歯科医院)
9割の方が小臼歯抜歯を行ったほうが良いという結果になりました。

有松稔晃(福岡県北九州市 ありまつ矯正歯科医院)
95% 整然と並んだ歯列と一歯対二歯の咬合、閉唇時における緊張のない上下口唇を治療目標として、初診時の患者さんを診たときに、抜歯を行わないと、その目標が達成出来ないために、上記の数になりました。
当院では、一歯対二歯の咬合が達成できる場合は、非抜歯治療もプランニングして抜歯治療とともに提示します。ただし、特に仕上がりの際におけるくちもとに差が出ることを説明すると、ほとんどの患者さんがくちもとを含めた改善を求めて、あるいはくちもとの突出を忌避して、抜歯治療を選択されます。

稲見佳大(栃木県真岡市 いなみ矯正歯科医院)
治療方針決定の際には、患者さんの状態を総合的に判断し、まずは非抜歯で良好な結果が得られないか徹底的に追求しています。恣意的な判断がなければこのような結果になる事は妥当です。

大野秀徳(長野県上田市 おおの矯正歯科)
非抜歯で治療可能な患者さんは、矯正専門医以外の先生が矯正治療をしている可能性が高いと思います。矯正専門医が治療する患者さんの多くは、非常に治療の難易度の高い患者さんに感じます。当院も同様ですので、抜歯をして治療する患者さんの割合が高くなります。
また混合歯列期の治療(早期治療)を行い、その後良好な状態が維持され、永久歯列期の治療が不要になる患者さんもいます。そのような患者さんはこの統計に入っていません。
抜歯で治療をする患者さんの割合が高いからといって、なんでもかんでも抜歯をしているという誤解をされる可能性がありますが、そうではありません。抜歯しないでも良好な治療結果を提供できるならば、もちろん抜歯はしません。

妹尾葉子(福岡県北九州市 ありまつ矯正歯科医院)
95%。
整然と並んだ歯列と一歯対二歯の咬合、閉唇時における緊張のない上下口唇を治療目標として、初診時の患者さんを診たときに、抜歯を行わないと、その目標が達成出来ないために、上記の数になりました。
当院では、一歯対二歯の咬合が達成できる場合は、非抜歯治療もプランニングして抜歯治療とともに提示します。ただし、特に仕上がりの際におけるくちもとに差が出ることを説明すると、ほとんどの患者さんがくちもとを含めた改善を求めて、あるいはくちもとの突出を忌避して、抜歯治療を選択されます。

鳥巣秀男(神奈川県藤沢市 とりす歯科矯正)
93%が抜歯症例です。

樋口育伸(福島県福島市 ひぐち矯正歯科)
2010年に開始した当院の患者さんの抜歯の割合は92パーセントと9割以上を占め、その割合の高さにちょっと驚いています。(7〜8割程度かと思ってましたので)。
ただ、歯を歯槽基底上に無理なく位置づけることを基本に据えた診断、治療方針にしたがい治療を実践しているので当然の結果かもしれません。

藤田邦彦(福岡県北九州市 ふじた矯正歯科医院)
約94%が抜歯症例。
空隙歯列や、M.T.M. (側方歯群) 等は非抜歯で行っています。

藤田俊哉(秋田県秋田市 ふじた矯正歯科)
診断した結果がこうだったということ。

山下博史(神奈川県藤沢市 ドルフィン矯正・小児歯科)
矯正治療後の健康で美しい口腔内および顔貌を長期に渡り維持するためには、抜歯が必要であると考えています。

夕田勉(福岡県福岡市 ゆうだ矯正歯科医院)
反対交合症例を非抜歯で矯正治療を行ったのが3症例、補綴前矯正を非抜歯で矯正治療を行ったのが1症例、95%の患者さんは抜歯をして矯正治療を行いました。

【失敗しない矯正治療】治療を始めるにあたって大切なポイントをご紹介します。