治療症例:JBO認定専門医が治療をおこなった症例をご紹介します。
大人の矯正 偏位咬合(あごのずれ)Case2
正中のずれを矯正治療で改善した治療症例


■症状
- 患者さん
- 12歳5ヶ月 女性
- 主訴
- 前歯のでこぼこと上下の真ん中がずれていること(偏位)を気にされて来院。
- 所見
- 下顎が右方に偏位し、上下顎正中(歯並びの真ん中)が約3mmずれていました。
上下口唇が突出し、唇を閉じたときにオトガイ部軟組織に緊張(下顎に梅干しの種のような皺がよること)が認められました。叢生が著しく、臼歯・犬歯関係はアングル2級(上顎前突)(※1)で、右上の臼歯がちょうど1歯分前にずれており、口裂、咬合平面ともにやや右上がりでした。 - 診断
- 偏位咬合 偏位顎 両突歯列 叢生歯列弓
■治療期間
2年8ヶ月
■治療内容
叢生と偏位咬合、横顔の改善を目的に、上顎左右第一小臼歯、下顎右側第二小臼歯、下顎左側第一小臼歯を抜歯し、マルチブラケット装置、ヘッドギア、顎間ゴムを用いて治療をおこないました。
なお、偏位顎の治療に関しては外科的矯正手術が必要となることをお話ししたところ、ご希望されなかったため矯正単独での治療となりましたが、満足できる治療結果が得られました。
※1 アングル2級
上下の顎の咬みあわせを、第一大臼歯(6番の奥歯)の位置関係で表した分類をアングルの不正咬合分類と言います。
1級、2級、3級があり、1級は第一大臼歯が正常に咬み合っている状態、2級は上の第一大臼歯が下の第一大臼歯よりも前方にある状態(上顎前突・出っ歯)、3級は下の第一大臼歯が上の第一大臼歯よりも前方にある(下顎前突・受け口)症例となります。第一大臼歯の位置関係を示すものであるため、正常に咬み合っている1級であっても、前歯が叢生などの不正咬合になっている場合があります。
治療について
■治療前
正中(歯並びの真ん中)が、ほぼ1歯分ずれています。叢生も強く、犬歯が八重歯状になっています。
■装置装着直後
上下左右各1本ずつの抜歯をおこないました。上下の顎にブラケットを装着し、でこぼこやねじれをとってゆきます。同時にヘッドギアも夜のみ開始しました。
■10か月後
バネとゴムを用いて犬歯を後退させています。
■2年後
抜歯したすき間が閉じ、上下の歯の正中のズレも小さくなっています。仕上げ前にもう一度歯のねじれをとっています。
■治療後
上下の歯の正中は一致しています。歯並び・咬み合せとも良好な状態です。顎の外科的手術を併用せずに治療をおこないましたが、治療結果にたいへん満足されております。
